シベリアはトボクリスの寒村に、貧農の倅としてラスプーチンがこの世に生を授かったのは、1871年頃とされています。奇しくもこの年の1月23日、シベリアに巨大隕石が落下しています。その謎に包まれた生涯を暗示するかのような出来事です。
「肉の罪を犯せば犯すほどあなた方は自由になり、神に近づける」
怪僧ラスプーチンの教えです。
彼によれば、セックスは肉の清めであり、その儀式はときに修道僧、尼僧、信者まみれての酒池肉林の乱交パーティーと化していたそうです。今でいうセックス教団です。
また彼自身も性豪で、一晩で複数の女性を平気で相手にし、何回でも可能だったというから恐ろしいです。これも怪僧なれではの神通力でしょうか。
ラスプーチンがロシアの首都ペテンブルグに現れたのは1907年頃です。
彼は自らを神の使途であり聖者であると名乗り、各地を巡礼・放浪した後、皇帝ニコライ2世の長子アレクセイの不治の病、血友病をその神がかりな力で治したとされています。このときアレクセイオウジは彼に謎めいた怪しい薬を飲まされていたらしいですが、いずれにしても王子は快方に向かったのです。
これを期に、ラスプーチンは神秘的な力とセックスで、ロシアの政治を裏で牛耳る事になります。宮廷の貴婦人たちのほとんどがその肉欲の渦に巻き込まれていきました。
よほど言葉巧みで、セックスのほうもテクニシャンだったのだろう。彼の常軌を逸した信奉者の一人、皇帝アレクサンドラも、彼の神通力というよりセックスの虜になっていたといわれています。
しかし彼の放埒無比な行動に反感をもつ者も多く、1916年12月16日、皇帝反対派に暗殺されました。その死に様もまた伝説的です。
青酸カリを大量に混入したワインと菓子を食しても、彼は2時間あまり平然としていました。一個中隊の兵士を全員殺せるほどの量だったといいます。
さらに焦った暗殺者はピストルで彼の心臓を打ち抜いてとどめを刺します。が、またすぐに息を吹き返したといいます。
結局、ペトログラード郊外を流れるネバァ川の氷の下に投げ込まれ、ようやくその強靭な生命を絶ちました。
このときも、彼が前から目をつけていた女性とセックスができるということで、ワナだとも知らずにノコノコと出てきたといいます。よほど女性が好きで、それ以上にセックスが好きだったのでしょう。
女性をセックスの虜にさせてしまうテクニックは、一度習得すれば人生に大きな変化を与えるでしょう。運転免許より実用的かもしれませんね(笑)