正常な「性」に関する学問の基準でいうと「二人の男女が性器の結合によって行うオーガズムの達成を目的としたセックス」だといっています。これは生殖、つまり子供を産むという種族保存の法則を訴える生物学の立場からも一致する定義です。
そこで問題にしたいのが、「性」における「量の異常」。
これは、過剰と不足が考えられて、両者とも精神分析学の世界では特別な名前を付けています。
男性の場合の性欲過剰者は、ギリシャ神話に出てくる動物の下半身と巨大なペニスをもった好色な半人半獣神にちなんで、サティリアーシスと呼ばれています。多くの女性を暴行して殺害した、あの性欲異常犯罪者、大久保清がこれに当たります。
事件が発覚したのは昭和46年、逮捕されるまでに127人の女性に声をかけ、35人を車に連れ込んで、うち10数人を強姦。さらに8人を殺害しました。
日本では有名な婦女暴行殺害事件として、彼の名前はいつまでも記憶に残っていますが、暴発的で衝動的、情性欠如という異常性格に加えて、非常に強力な性欲を持っていたということがいわれています。
一方、女性の性欲過剰者のことは、同じギリシア神話の女神になぞらえて、ニンフォマニアと呼ばれています。こちらの代表的な女性といえば、誰でもが一度は聞いた事がある阿部定事件の「定」でしょう。
旧主人との愛欲の果てに独占欲にかられた阿部定は、その男性を絞殺。ペニスを切断して持ち歩いて逃亡するという、まさに前代未聞の事件でした。
その後、精神鑑定の結果、彼女はニンフォマニアと診断されました。
次に「量」の不足については、男性の場合、いうまでもなくインポテンツ(性的不能)です。日本インポテンツ学会では、「セックス時に有効な勃起が得られてないために、満足なセックスを行い得ない状態をいう」と定義して、その発生や原因について次のように分類しています。
1、一次性インポテンツ(生まれてから一度もセックスできない場合)
2、二次性インポテンツ(セックスができたにも関わらず途中から不可能になった場合)
3、機能的インポテンツ(勃起はするものの早漏などの精神的、心因にセックスができない場合)
4、器質的インポテンツ(陰茎の血管、神経、筋肉などの障害、もしくは内分泌障害、薬物中毒などでセックスができない場合)
これに対して女性の性欲不足は、性感低下ということで不感症ということになります。これは性欲、接触欲、性交願望、性感、性反応がちゃんとあるのにオーガズムだけが得られない状態をいいます。
ちなみに不感症という意味のギリシア語は(ディスパレー二ア)で、「悪い配偶者」という意味をもっています。
生まれつき不感症の女性と夫婦になった男性は気の毒ということが語源なのかもしれませんが、いまのところ不感症の原因について詳しくはわかっていません。
女性をセックスの虜にさせてしまうテクニックは、一度習得すれば人生に大きな変化を与えるでしょう。運転免許より実用的かもしれませんね(笑)